エアコンの取り付け、取り外しについてはあまり知られていないポイントがあります。
正しい施工によりエアコンの性能、耐久性は大きく変わります。
まず、エアコンの仕組みですが・・・

エアコンはご存知の通り室内機と室外機で構成されます。

その中にはアルミのフィンがあります。、フィルターの掃除などでご覧になったことがあると思います。
内外機共にファンが有り、室内機は冷暖風を送り、室外機はフィンの放熱をします。
フィンの中には何が入っているのでしょう・・・
それはガス(冷媒)です。
室外機の液体ガスが室内機のフィンで気化されます。液体が気化するとき周囲の熱を奪います。(注射のときに腕にアルコールをぬるとヒヤッとするあの現象です)それによりフィンが冷やされ風を通し冷風にします。
気化されたガスは室外機へ行き、コンプレッサーにより圧縮され高温高圧のガスになり、室外機のフィンで放熱し電磁弁を通るときに液化され再び室内機へ行きます。
では施工のポイントは・・・
新しいエアコンは室外機にガスが入っており、室内機にはなにも充填されていません。この状態で室内機と室外機をつないでしまうと冷媒回路にガス以外の不純物(空気やチリ)が入ります。この状態で運転すると空気中の水分が冷やされ氷をなり回路を塞ぎエアコンの効率をさげたり、故障の原因となります。それを防ぐために・・・
真空引きを行います。
室内機と配管内の空気を追い出し真空状態にし、冷媒回路内をガスだけの状態にします。
当然しなければいけないことですが、量販店にありがちな工賃込の販売取り付けや、引越し業者の取り付けサービスなどは真空引きがされていないことが多いようです。それは、真空引きには時間が多少なりともかかり、量販店などは施工業者に対し1件当たりの報酬が少なく、施工業者も1日に少しでも多くの件数をこなさなければ商売にならないことが主な理由でしょう。
また、取り付け後1、2年で冷暖風が出なくなったという事例です。
原因はガス(冷媒)が抜けてしまっていることです。なぜそんなに早く抜けてしまうのでしょう。
ポイントは、室内外機を配管でつなぐ作業です。この接続作業は実に単純ですが、締め付けにはメーカーよりの締め付けトルクが指定されており、このトルクを知らずに締め付け過ぎが殆どの原因です。特に引越し業者の取り付けによるものが多いようです。
他にも、配管露出部の劣化、エアコンダクト開口時に柱、筋交いを抜いてしまったりと実はトラブルが多いのが現実です
環境問題
エアコンのガスにはフロンガスが使われています。新しいエアコンにはR410Aと言う代替冷媒が使われておりオゾン破壊係数は0になりましたが、古いエアコンの取り外しには注意が必要ですし、廃棄の際はフロンの回収破壊が法で定められています。また、R410Aはオゾン破壊係数は0でも、地球温暖化への影響力は二酸化炭素の数百、数千倍を言われています。温暖化によりエアコンの普及率が上がり、エアコンにより温暖化を進めてしまう・・・関心が向けば止められる悪循環だと思います。
エアコン購入、移設のご予定がある方は是非一度ご相談下さい。